コエンザイムQ10のすべて

コエンザイムQ10の基本情報

コエンザイムQ10とは、生命活動に必要なエネルギーを産み出すとともに、免疫力を高めてウイルスや細菌などから体を守り、さらに活性酸素の影響を防いで病気や老化を抑制するなど、私たちが健康でいるために欠かすことのできない物質です。
コエンザイムQ10の世界への入口として基礎知識をまとめました。健康と美容のためにコエンザイムQ10の活用をと考えている皆様、ぜひ参考になさってください。

1.コエンザイムQ10とは?

コエンザイムは「補う(Co)」+「酵素(Enzyme)」の複合語。日本語では「補酵素」と呼ばれ、人間の生命活動に必要な酵素と結合して、その働きを高めています。

この補酵素の一種であるコエンザイムQ10は、人体内の細胞でエネルギーが産み出されるメカニズムに重要な役割を果たしています。このエネルギーの名前はATP(アデノシン三リン酸)。細胞小器官のミトコンドリア内で食事から摂取した栄養素と呼吸から取り入れた酸素、そこにコエンザイムQ10が関わってATPが生成されます。

2.ビタミンとコエンザイムQ10は似ている

この補酵素と同じような働きをしているものに、私たちがよく知るビタミンがあります。ビタミンB1は糖をエネルギーに変換する「糖質代謝」の補酵素として、またビタミンB2は脂肪をエネルギーに変える「脂質代謝」として、そしてビタミンB6はタンパク質やアミノ酸の代謝を助ける補酵素として働いています。
コエンザイムQ10はこうしたビタミンと同じような働きをすることから、「ビタミン様物質」あるいは「ビタミンQ」とも呼ばれています。

コエンザイムQ10とビタミンの違いはどこにあるのでしょうか。それはコエンザイムQ10が人体内でも合成できるのに対し、ビタミンは食品や果物等外からしか補えないという点です。
コエンザイムQ10はそれだけ人体にとって重要な物質であり、呼吸をする、血液を循環させる、消化する、手足を動かす、考える、見る、食べるなど、すべての生命活動に深く関わっています。

3.コエンザイムQ10不足が健康に影を落としている

それでは、コエンザイムQ10が不足すると、私たちの体はどうなるのでしょう。
コエンザイムQ10が少なくなればATPも十分に生産されなくなり、あらゆる生命活動がエネルギー不足という事態に陥るでしょう。

事実、コエンザイムQ10は心臓、肝臓、卵巣、精巣といった生命に直接臓器に多く存在します。特に大量のコエンザイムQ10が存在するのが心臓で、一日に10万回も収縮を繰り返すエネルギーを必要とします。

またコエンザイムQ10はエネルギー産生に関わるばかりでなく、強力な抗酸化作用で体の酸化を防いだり、免疫力を高めてウイルスや病原菌をシャットアウトするなど、外敵からの防御機能も果たしています。

これだけ重要な役割を担っているコエンザイムQ10ですが、残念ながら体内で合成されるコエンザイムQ10は加齢とともに減少の一途をたどります。そのため細胞そのものの活力が衰え、スタミナ不足や疲れが加速。免疫系の働きも弱まり、病気のリスクが高まってしまうのです。

4.ノーベル賞受賞成分だったコエンザイムQ10

そこで注目を集めているのが、不足しがちなコエンザイムQ10を補えるサプリメントです。栄養補助食品としてコエンザイムQ10が認可されたのは2001年。2004年の秋に薬事法が改正されて、コエンザイムQ10を配合の化粧品も続々と発売されました。

コエンザイムQ10が発見されたのは、もう半世紀以上も前のこと。1957年、ウイスコンシン大学のF.L.クレーン博士によって発見されたコエンザイムQ10は、ピーターミッチェルによって人の細胞内のミトコンドリアがエネルギー変換する際の働きについて解明され、1978年にノーベル賞を受賞しています。

おもに「うっ血性心不全」の治療薬として利用されてきたコエンザイムQ10でしたが、その後、続々と新たな効果・効能が解明され、現在では美容、ダイエット、健康維持、花粉症、不妊治療、変わったところではいびき防止まで、多種多様な製品開発が進みました。

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